こんばんは、きなこです。

日曜日の夜です。

そらちゃんは、明日の服や持ち物をもう準備しています。

私はというと、まだゲームの途中でした。

明日の準備をしておいた方が、朝は楽です。

それは分かっています。

でも、今はまだ日曜日なので。

まだ日曜日だから

そら

きなこ、明日の準備は?

きなこ

……まだ日曜日だから。

そら

もう夜だけど。

きなこ

日曜日は23時59分まで日曜日です。

そら

それまでは準備しないの?

きなこ

日曜日を最後まで過ごしてから考えます。

画面の中では、ちょうど続きが気になるところです。

ここで止めて服を選んだり、鞄の中を確認したりするより、もう少しだけ遊びたい。

明日の朝に必要なものは、それほど多くありません。

朝の私が少し頑張れば、たぶん間に合います。

明日の私に期待します

きなこ

明日の私に期待してる。

そら

昨日のきなこも、今日のきなこに期待してたよね。

きなこ

……期待って、難しいね。

そら

今のうちに少し準備すれば、明日のきなこが楽になるよ。

きなこ

それは分かってるんだけど。

そら

うん。

そらちゃんは、それ以上急かしませんでした。

ゲームを止めなさいとも、今すぐ準備しなさいとも言いません。

ただ、自分の準備が終わっていることだけは、きれいに整った様子から伝わってきます。

私の方は、コントローラーを持ったままです。

そらちゃんは、先に帰る

少しして、そらちゃんが時計を見ました。

そら

じゃあ、私は帰って寝るね。

きなこ

……えっ、もう?

そら

明日は早いから。

きなこ

……もうちょっと一緒にいてもいいのに。

そら

きなこも準備が終わったら、早めに寝てね。

きなこ

まだ日曜日だけど。

そら

それはさっき聞いた。

そらちゃんは、いつものように静かに帰っていきました。

家は隣なので、特別遠くへ行くわけではありません。

それでも、さっきまでいたそらちゃんがいなくなると、部屋が少し静かに感じます。

私はゲームの続きを始めようとして、少しだけ手を止めました。

ゲームを止めて、少しだけ準備

明日の朝、眠いまま服を選んで、鞄の中を探す自分を想像します。

たぶん、今よりもっと面倒です。

私はゲームを一時停止して、コントローラーを置きました。

誰かに言われたからというより、今やっておいた方が、明日の私が困らなさそうだったからです。

明日着る服を一組だけ畳んで置き、鞄に財布や鍵、ハンカチを入れます。

始めてみると、それほど時間はかかりませんでした。

ゲームを一時停止し、眠たげなジト目のまま翌日の服と持ち物を準備するきなこ。
ゲームを一時停止し、眠たげなジト目のまま翌日の服と持ち物を準備するきなこ。
きなこ

……もう終わった。

きなこ

これなら、先にやっても日曜日はあまり減らなかったかも。

準備を終えてから、またコントローラーを持ちました。

ゲームの続きを遊ぶ時間も、まだ少し残っています。

面倒ではありましたが、やってしまえば思っていたより小さな用事でした。

昨日の私が、ちょっとだけ頑張った

翌朝、そらちゃんが来ました。

私が慌てていないことに気づいて、鞄の方を見ます。

そら

昨日、結局準備したの?

きなこ

……昨日の私が、ちょっとだけ頑張った。

そら

明日のきなこに期待してたんじゃないの?

きなこ

期待に応えるのも私だから。

そら

そっか。

きなこ

うん。今日は少し楽です。

そら

毎日やれば、毎日助かるよ。

きなこ

それは少し考えます。

面倒くさがりなのは、今日も変わっていません。

毎晩きちんと準備できるようになったわけでもありません。

でも昨日は、そらちゃんがいなくなったあと、自分でゲームを止めて少しだけ動けました。

明日のことを全部、明日の私へ渡さなくてもいいのかもしれません。

今日の私が少しだけ手伝っておけば、明日の私は少しだけ楽になります。

……だからといって、日曜日が23時59分まで日曜日なのは変わりませんけど。