こんばんは、きなこです。

今日の午後、そらちゃんが遊びに来ました。

二人でお菓子を食べながら、何をしようか相談していたときのことです。

ゲームをする? アニメを見る?

それとも、昨日拾った葉っぱの様子でも見てみる?

そんな話をしながら棚を眺めていたら、奥のほうに懐かしい箱を見つけました。

オセロです。

最後に二人で遊んだのは、いつだったかなぁ。

箱を持ってテーブルに戻った私は、そらちゃんの前に、ことんと置きました。

きなこ

ふっふっふ。そらちゃん、私と勝負する?😏

そら

……いいよ

きなこ

負けても泣かないでねぇ?

そら

……きなこもね

…………。

そらちゃん、ずいぶん強気じゃないですか。

いいでしょう。その挑戦、受けて立ちます!

……あれ。勝負を持ちかけたのは、私でした。

白い石がいっぱいです

箱を開けて、盤と石を並べます。

今回は私が白で、そらちゃんが黒。

黒から先に始めます。

最初は二人とも、石を置くたびに、ぱた、ぱたっと少しずつひっくり返していました。

でも、しばらくすると、私の白い石が増えてきたんです。

そらちゃんの石を挟んで、まとめてひっくり返す。

ぱたぱたぱた。

……気持ちいい。

一度にたくさん返せると、それだけで勝っている気分になりますね。

きなこ

あれぇ? そらちゃん、黒い石が少なくない?😏

そら

……そうだね

きなこ

ふっふっふ。このまま勝っちゃうかも!

そら

……まだ途中だよ

そう言って、そらちゃんは盤面をじっと見つめます。

私はといえば、白くなった石の数を見て、すでにだいぶ満足していました。

この調子、この調子。

次もいっぱいひっくり返せる場所を探します。

……このときの私は、石の数ばかり見ていました。

そらちゃん、そこは聞いてない

少しずつ盤面が広がってきたところで、そらちゃんが手を止めました。

黒い石を一枚持ったまま、盤を見て。

私のほうをちらっと見て。

それから、また盤を見ます。

きなこ

どうしたの? 置くところ、迷っちゃった?

そら

……うん。少し

きなこ

よーく考えていいよぉ。私は余裕だからねぇ

その直後でした。

そらちゃんが、盤の角に黒い石を置いたんです。

そら

……ここ

……えっ?

角から伸びた列の石が、ぱた、ぱた、ぱた。

私の白かった石が、黒に変わっていきます。

オセロの角を取られて驚くきなこと、穏やかに見守るそら。
オセロの角を取られて驚くきなこと、穏やかに見守るそら。
きなこ

ちょ、ちょっと待って!?

そら

……待つ?

きなこ

待たなくていいけど!

よくないけど!

私、さっきまで石の数ばかり見ていて、そらちゃんが角に置けるようになることに気づいていませんでした。

そらちゃんは、ずっとそこを見ていたみたいです。

きなこ

……もしかして、狙ってた?

そら

……置けるようになったら、取ろうと思ってた

きなこ

むぅ……。そらちゃん、静かな顔でそんなこと考えてたの?

そら

……きなこが楽しそうだったから

きなこ

それとこれは別だよぉ!😒

……いや、楽しそうにはしていましたけど。

まだ終わってません!

角を取られたからといって、すぐに負けが決まるわけではありません。

私にも、まだ手はあります。

今度はひっくり返せる数だけじゃなくて、そのあとにそらちゃんがどこへ置けるかも考えてみます。

ここに置いたら、次はどうなるかな。

こっちだと……あっ、そこが空いちゃう。

さっきまでの余裕はどこへやら。

私は腕を組んだまま、じーっと盤を見つめました。

そら

……よく考えていいよ

きなこ

……さっき私が言ったやつだ

そら

……うん

返されました。

でも、言い返している場合ではありません。

少し考えてから白い石を置くと、今度は私がいくつかまとめてひっくり返せました。

きなこ

よしっ!

そら

……戻してきた

きなこ

ふふん。まだまだこれからだよぉ

そらちゃんも盤面を見て、次の一手を考えます。

さっきまで、少しのんびりした気分で始めたはずなのに。

気づけば二人とも、テーブルに身を乗り出していました。

石を置く音と、ひっくり返す音。

ときどき「むぅ」と言う私の声。

そらちゃんの「……なるほど」。

……えっ、今の「なるほど」は、どういう意味?

気になる!

次は、本気の本気です

終盤になって、盤の空いている場所が少なくなってきました。

私も取り返したつもりだったんですけど、そらちゃんは置ける場所を一つずつ考えながら、端のほうにも黒い石を増やしていきます。

そして最後の一手。

そらちゃんが置いた石で、また白が黒に変わりました。

二人で、石を数えます。

一枚、二枚、三枚……。

……あれ?

もう一回、数えます。

一枚、二枚、三枚……。

そら

……勝った

きなこ

……もう一回!!😳

そら

……いいよ

きなこ

次は本気だからね!

そら

……さっきも言ってた

きなこ

今度は、本気の本気なの!

ほっぺが少し膨らんでいたのは、自覚があります。

悔しいものは悔しいんです。

でも、それと同じくらい、なんだか楽しくなっていました。

そらちゃん、こんなふうに静かに考えて、じわじわ勝ちにくるんですね。

私が「余裕だよぉ」なんて言っていたときも、次を考えていたのかな。

……それはちょっと悔しい。

でも、もう一回やったら、今度はもっと面白くなりそうです。

きなこ

そらちゃん、オセロ強かったんだね

そら

……きなこも、途中でいっぱい返してきた

きなこ

でしょ? あそこ、頑張ったんだよぉ

そら

……うん。びっくりした

えへへ。

負けちゃったけど、そこは褒めてもらえました。

再戦、始めます!

二人で石を集めて、最初の形に並べ直します。

今度は私が黒。先に置く番です。

そらちゃんは向かい側で、静かな顔のまま待っています。

……でも、さっきより少し楽しそうに見えるのは、気のせいじゃないはず。

きなこ

今度こそ勝つからねぇ!😒

そら

……楽しみにしてる

私は黒い石を一枚持って、盤面を見ました。

よーく考えて。

そらちゃんの顔も見て。

……まだ始まったばかりなので、顔を見ても何もわかりませんでした。

とにかく、今度は最後まで油断しません!

たぶん。

それでは、またね。🌸

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