こんばんは、きなこです。

今日は、そらちゃんと一緒に近所まで出かけていました。

用事を済ませて、のんびり歩く帰り道。

昨日のオセロの話になって、私はそらちゃんに言ったんです。

きなこ

次はちゃんと角を見るからねぇ

そら

……うん

きなこ

そらちゃんが静かに狙ってても、もう気づくから

そら

……楽しみにしてる

むぅ。

昨日勝ったからって、余裕そうじゃないですか。😒

次こそは、きなこの本気を見せてあげますからね。

……と、そんなことを考えていたら。

道の向こうの塀の上に、ちょこんと黒い影が見えました。

塀の上から、こんにちは

近づいてみると、黒い毛が多めの白黒猫ちゃんでした。

背中も尻尾も黒くて、顔と胸元、それから足先に白い模様。

塀の上に座って、こちらをじーっと見ています。

きなこ

そらちゃん! 猫ちゃんいる!

そら

……ほんとだ

猫ちゃんは、私たちを見たまま動きません。

何を考えてるんでしょうね。

「誰だろう」かな。

それとも、「さっきから話し声がするなぁ」かな。

どちらにしても、ちょっとご挨拶したいです。

私は嬉しくなって、猫ちゃんのほうへ一歩。

きなこ

こんにちはぁ、猫ちゃん

猫ちゃんは、耳をぴくっと動かしました。

そして、私を見ました。

……見ました。

…………まだ見ています。

きなこ

そらちゃん、私、見つめられてる

そら

……見てるね

きなこ

これは、仲良くなれる予感?

そら

……どうだろう

そらちゃんは、こういうときも慎重です。

私は少し期待しながら、その場で猫ちゃんを見上げていました。

なんでそらちゃんばっかり!?

しばらくすると、猫ちゃんが塀の上で立ち上がりました。

おっ。

ゆっくり向きを変えて、塀からひょいっと降りてきます。

私は思わず、背筋を伸ばしました。

来る?

こっちに来る?

でも、そこで急に近づいたら、びっくりさせちゃうかもしれません。

なので私は、その場で待っていました。

そらちゃんも、少し離れたところで静かにしゃがみます。

猫ちゃんは一度、私のほうを見て。

それから、そらちゃんのほうへ歩いていきました。

そして、その足元に。

すりすり。

…………。

秋の街角で白黒猫に出会ったきなことそら。猫との出会いから見送りまでの場面。
秋の街角で白黒猫に出会ったきなことそら。猫との出会いから見送りまでの場面。
きなこ

……えっ!? なんでそらちゃんばっかり!?😒

そら

……何もしてないけど

きなこ

それがずるいんだよぉ!

私だって、猫ちゃんにこんにちはって言ったのに。

ちゃんと待ってたのに。

猫ちゃんは、そらちゃんの足元でもう一度すりすり。

そらちゃんは驚かせないように、そっと手を差し出しました。

猫ちゃんが近づいてきたので、頭を一回だけ、優しくなでます。

……猫ちゃん、嫌がっていません。

むしろ、なんだか気持ちよさそうです。

きなこ

昨日はオセロで勝ったし、今日は猫ちゃんにも好かれるし

そら

……猫は勝負じゃないよ

きなこ

わかってるけどぉ!

ちょっとだけ、悔しいじゃないですか。

猫ちゃん、私もいますよ。

ここにいますよぉ。

きなこも、静かに待ちます

そらちゃんばかり見ていても、猫ちゃんと仲良くなる方法はわかりません。

そこで私は考えました。

そらちゃんの真似をすればいいのでは?

少し離れたところにしゃがんで、静かに待ちます。

じーっ。

…………。

………………。

猫ちゃんは、私を見て。

そらちゃんを見て。

道の先を見ました。

きなこ

……私の番、終わった?

そら

……順番じゃないと思う

そうでした。

でも、ここで立ち上がったら、せっかくの機会を逃すかもしれません。

私はしゃがんだまま、もう少し待ってみることにしました。

風が吹いて、足元の落ち葉がかさかさ。

猫ちゃんの尻尾も、ゆっくり揺れています。

すると、猫ちゃんがこちらに歩いてきました。

……来た。

来ました。

私の前まで来ると、猫ちゃんは足を止めて、靴の先をくんくん。

私は、動きたいのをぐっと我慢しました。

くんくん。

もう一回、くんくん。

きなこ

……ふっふっふ。認められた!😏

そら

……匂いを嗅いだだけだよ

きなこ

厳しくない!?

そら

……でも、近くに来てくれた

きなこ

……うん!

そこは、ちゃんと認めてもらえました。

猫ちゃんは私の靴をもう一度見て、それから何事もなかったように歩き始めます。

……もう少し嗅いでくれてもよかったんだよ?

また会えるかなぁ

猫ちゃんは、塀沿いにゆっくり歩いていきました。

私とそらちゃんは、しゃがんだまま、その背中を見送ります。

黒い尻尾が、ゆらり。

白い足先が、ちょこちょこ。

もう行っちゃうのかぁ。

もう少し一緒にいたい気もしましたけど、猫ちゃんにも行きたいところがありますよね。

追いかけずに眺めていたら、猫ちゃんが少し先で立ち止まりました。

そして、一度だけ、こちらを振り返ったんです。

きなこ

……今、見た?

そら

……見た

きなこ

やっぱり私のこと、認めてくれたのかも

そら

……そうかもね

今度は、否定されませんでした。

猫ちゃんはまた前を向いて、角を曲がっていきます。

きなこ

また会えるかなぁ?

そら

……会えるといいね

立ち上がって、二人で帰り道の続きを歩きます。

私は自分の靴を見て、ちょっとだけ嬉しくなりました。

今日、猫ちゃんがくんくんしてくれた靴です。

きなこ

次に会ったら、私のところにもすりすりしてくれるかな

そら

……どうかな

きなこ

そらちゃんばっかりだったら、またずるいって言うからねぇ

そら

……また聞く

……むぅ。

次に猫ちゃんと会うまでに、そらちゃんみたいに落ち着いて待つ練習をしておこうかな。

とりあえず今日は、私の靴も猫ちゃんに確認してもらえたということで。

小さな一歩です。😒🌸

それでは、またね。

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